『Re-Loli』を監修するオールドローズはむかに、ロリータを始めたきっかけから、今後の夢について聞いてみました。ロリータをこよなく愛するはむかですが、一度はロリータを辞めた空白の時間もあったのだとか。世の中の普通と自分らしさの狭間で苦しんだ時期を経たからこそ、ロリータはむかにとって生き方そのもの。はむかの人生観とロリータストーリーをみていきましょう!
Q:まずはじめに、ロリータを始めたきっかけは何でしたか?
中学の時に見ていたアニメの主題歌が、ゴシックロリータの世界観をうたっていて、中二心をくすぐられ見事にハマってしまって。でも当時は、お小遣いではお洋服は買えなかったし、ロリータ風の服を着ていていましたね。
ー実際にロリータ服を着るようになったのはいつですか?
18歳ぐらいですね。好きなバンドのライブが黒服限定のライブで。黒いInnocent Worldのワンピースに、白塗りに黒い口紅で、ゴス調のメイクをして行きました。
ーはじめてロリータ服を着るのに障壁はなかった…ですか?
中学生の頃から原宿系の派手な服を着ていたので、派手な服を着ることに抵抗感はなかったんですよね。
そんなはむかですが、途中ブランクもありました。大学2~4年までの2年くらいは、ロリータを辞めていたのだそう。
Q:ブランクのあと、またやろうと思ったきっかけは?
「普通」じゃないことは自覚していたけど、でも当時は「普通」になりたかったんです。
親が厳しいというか、望み通りに生きて欲しいというのが強かったんですよね。
それで、親の言う通り、普通にした方がいいのかなと…。当時はロリータを辞めざるをなかったんです。
「女性が自分の幸せを優先するのは悪いことなんだ、親の望み通り結婚して子どもを産むんだ」と思い込んでいました。
いつのまにか、自分の好きなことすら抑圧するようになってしまったんです。でも、私にとってそれが幸せではないということに気づきました。
そのときたまたま出会った人に「あなた、他にやりたいことあるでしょ?クリエイティブなこと好きでしょ?」と言われて、「そうだ、私お洋服好きだった」と、思い出したんです。
Q:今、ロリータはむかさんにとってどんな存在ですか?
私にとっては生き方そのもので精神性をあらわすと思っています。
ロリータって、ヘッドドレスがあってワンピースがあって、フリルのハイソックスはいて、パニエをはいてみたいな、形式的なファッションの特徴があると思います。
私の場合、ギャルっぽいのも着るし、ゴスも、パンクも、サイバー系も着るし、ロリータにとどまらないんですよね。ロリータだけとロリータじゃないという矛盾した存在だと思っていて。
「自分が好きなものを混ぜこぜにして着る、とにかくかわいいものを着る」「誰が何と言おうと好きなものを貫く」そんな精神性をロリータだと思っています。
つけまつげが3cmだろうが6cmだろうが10cmだろうが、明日の世界は何も変わらない。けれど、そこに楽しみながらこだわってしまう精神性がロリータだと思うんです。
Q:今後、ロリータでやってみたいこと、夢はありますか?
いつかオリジナルのお洋服を作りたいなと思っています!
私はジャンルにとらわれず服を着ているので、本当に着たい服がなくなってきていて。もっとこうだったらいいのになというこだわりが強くなっています。
それで希望を叶えられる服を自分のために作りたいんです。さらに誰かが着たいと思ってくれたら、それほどうれしいことはないですね。
Q:「私の一着」を教えてください。
Elpressさんの緑のドレスですね(画像のドレスです!)
まずデザインがすごく気にいっていて、ロココ時代のドレスをモチーフにしています。ポンパドゥール夫人が着ていたドレスをイメージしています。
ポンパドゥール夫人とは、ルイ15世の公妾で、賢くて政治の世界にも関わったとか。豪華なドレスをまといつつ、女性として自立しているところがロリータだなと。それがすごくいいなと。
というのも、ロリータって私にとっては自立的な象徴です。「他人がどう思おうと、自分はこれを着る」みたいな感じですね。
Q:Re-Loliを見て、これからロリータを始める方にメッセージを
ロリータファッションってチャレンジするのにハードルが高いファッションなので、少しでもそのハードルを下げてあげたいと思っています。
記事を読むだけでちょっとでも前向きになるだけでもいいんです。何回もメディアに来てもらって「こういう着方あるんだ」とか、ちょっとずつ知ってもらえたらと思います。
いきなり服買うのはハードル高い方は、小物からでもいいんです。「ロリータの世界は楽しいよ!」というのを伝えたいです。
オールドローズはむかの経歴・プロフィール
著者:オールドローズはむか
キメラなファッション愛好家♡ロリータ、パンク、ギャル、ロココ、クリーピーなメイクをミックスしながら好きに着ています。あまり型に嵌めない自由なファッションスタイルが特徴。ZINEの制作や被写体などいろいろやってます。原宿のツアーガイドを経て現在は主にSNSでロリータファッションの楽しさを発信中です。
▼メディア掲載情報
・Anime Feminist 2023/3/24